順子と塔子 |
投稿日:2003.7.10 作:kuipeiko |
今回は無謀にも恋愛と麻雀の相関性をテーマに読切り小説を書いてみました。 それではどーぞ!!
「ねぇ、聞いてくださいよ〜。」
「どうしたの?」 苛立つ塔子に順子はやさしく答えた。
二人は会社の同僚で、塔子は何かあると決まってこの店にきて酒と順子にあたるのだった。
その何かの相場も大体決まってはいるが・・・。
外の空気は雨が降ろうが降らまいがそんなことはお構いなし、まるでサウナにいるかのようだった。
この季節が好きなのはおそらくカタツムリとアジサイくらいではないだろうか?
「あのヒトったらひどいんですよ。いつもは冷たいくせにさ、ちょっと泣いたら、ごめんね、ごめんねって。最初からそうしてくれればいいのに・・・。」
そう言いながら塔子はまた泣いていた。
「涙は女の武器なのよ。簡単に見せてはいけないわ。」
「なんで?泣かないと彼は振り向いてくれないんですよ?」
「男は女の涙に弱いんだから。」
「だったらすぐ泣いたほうがいいじゃないですかぁ。」
順子はグラスに口をつけ、遠くを見つめるように軽いため息をついた。
「そうね、そうかもしれない・・・。でもね、すぐに泣いてついて来るのは安い男だけよ。そんなポテンシャルを下げるようなことをしちゃダメ。自分の最高のヒトを見つけたらそのときが勝負よ。」
それは自分に言い聞かせているかにも聞こえた。
「順子さんも泣いたりするんですか?」
「そうね、私の憧れのヒトはずっと遠いところにいるの。そう簡単には泣きつけないわ。だから心の中で泣いてるの。いつかあのヒトに届きますようにって。」
「順子さんって強いですね。そうやって自分を磨いていかなきゃいけないのね。あんなに泣いてばっかりだったのはすごくもったいない気がしてきた。なんか恥ずかしい。」
塔子はグラスを一気に流し込み、「ふぅ。」と一息。 その顔にはもう涙はなかった。
いつのまにやらマスターが片づけ始めてるのをみて二人は顔を見合わせた。
「やっばい、もうこんな時間。帰らなきゃ。」
外に出ると再びサウナ地獄が二人を襲うのであった・・・。
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