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倉科遼を読む- 連載 - 華なりと 】の記事
  • 8月
  • 5
  • 2007
22:00

第11話 ねえさんと妹

恵に告白されたことを琴菊に相談する英司。まだ修行中の仕込みさんと付き合うわけには行かないために彼女の告白を断った英司だが、恵の涙を見て心配になっていたのだ。
琴菊は彼女は姉である自分がちゃんと言い聞かせるといって英司を帰した。

とつぜん舞妓になるのをやめると言い出した恵は自分はもうすぐクビになると告白する。
去年の夏。おかあさんは恵に与える期限は一年だと宣言した。
一年たっても舞妓になれないようならば祇園から出て行ってもらうと。
恵は自分が三味線や舞の修行に身が入っていないことをおかあさんもわかっていてあんなことを言ったんだと思っていた。
そして今、舞も三味線も中途半端な自分は自分から舞妓を辞めたほうが気が楽だと言うのだ。

そこに琴菊がやってきた。つらいことがあるといつもここに来ていた恵のことを覚えていたのだ。
あんたは私の妹やという琴菊。しかし恵はそんな琴菊の言葉を素直に聞くことはできなかった。
「芸が半端な舞妓を世に出して、看板に傷をつけられるくらいなら、うちの親父からガッポリ違約金とったほうがええもんな!もうええんです。姉妹ごっこはもうやめてください!」
思わず平手で恵を殴りつける琴菊。恵はそのまま走り去ってしまった。
恵を追う琴美たち。恵は橋の欄干に立って身を投げようとする。
「どうせウチには居場所なんてどこにもないんや!なら・・いっそこのまま!!」

そんな恵に琴美は叫ぶ。「恵さんは臆病者です!弱虫です!」
一生懸命何かをしても報われないと思っているんじゃないか。でももう逃げないでほしい。大好きなことをあきらめないでほしい。
そして琴美は恵を信じている証拠を見せるといって自らも橋の欄干に飛び乗った

  • 7月
  • 19
  • 2007
21:56

第10話 恵の決断

英司と恵が話しているところを見てしまった琴美と優子。
英司に話しかけることもできず、二人はその場を去った。
これから恵に会ったときどんな顔をすればいいか。どうしても不自然な態度になってしまいそうな二人にツッコミの声がかかった。
声の主は恵だった。どういうことかと聞かれた琴美は泣いているところを見てしまったと正直に話した。
恵はごまかす風でもなく「ウチがあんた達に話した片思いの人って英司さんのことや」と明るく告白した。
その頃、英司は琴菊という女性の部屋を訪ねていた。恵がきていないかと尋ねる英司に琴菊は「あの娘、そんな事してる場合ちゃうのになあ」とため息を漏らす。

恵は英司との出会いを語り始めた。恵は祇園に「入れられた」子だった。
父は会社の社長。母はエステのチェーン店を経営。裕福な家庭に育ったが、家庭はばらばらだった。
愛人のいる父にパーティなどでほとんど家にいない母。そんな家がいやでガングロメイクで渋谷で遊びまわる毎日。
そんな恵の姿を見ても両親は何も言わなかった。自分はどうでもいい人間だと思った恵はいろんな悪さをして回った。そして仲間とクスリをやろうとするところを警察に捕まり、家裁に送り込まれた。
恵を守るような両親の発言すら信じられなかった。そして案の定、学校を退学になった恵に祇園に行けと言われた。もう親の顔を見たくないと思った恵は父の知り合いである琴の家のおかあさんに預けられることになったのだ。

恵は父の知り合いである琴の家のおかあさんのことも信用していなかった。厳しくするのも父に頼まれてやっていること。誰が言うことなんか聞くもんかと反発を繰り返していた。
姉さんである琴菊がかばってくれたりしたが、それすらも自分の恥を避けてのことだと思っていた恵。
そんなある日、恵を琴菊が連れ出した。人力車に乗って京都観光をしようと誘う琴菊。
その時恵は英司に始めて会ったのだ。
「ガングロが顔白くする舞妓さんを目指すってのか!黒から白へ人生を変える・・・面白いな!」
英司の軽口に腹を立てて暴れる恵。しかし英司はいとも簡単にゆれる車を止めた。
その時彼の左腕に傷を見つけた。
腕を隠した英司は「そういう俺も昔は”クロ”側の人間だったんだ」と言う。
英司は恵に「祇園という古くからの戒律があるこの街は・・・過ちを犯した人間をちゃんと立ち直らせてくれる力があるんだ。だから恵ちゃん。逃げずに舞妓修行がんばってみな。きっとみんな、恵ちゃんを見ててくれるから。」と励ましの言葉をかけた。
希望が見えた気がした。私が一番ほしいものがここにあった。その時恵は英司に惚れてしまった。

「ウチが今祇園にいるのは英司さんと同じ空気を吸える場所にいたいって理由だけや。けど・・・もうええんや。ウチ、舞妓になるのやめるわ!」

  • 7月
  • 4
  • 2007
19:46

第9話 仕込みの休日

あいもかわらずなれないことに苦しむ琴美。今日は三味線のお稽古でとんでもない音を出してしまう。
ギターなら楽勝だとエアギターで盛り上がる三人。お師匠さんに「祇園の女は”はんなりと”どっせ!」としかられてしまう。

祇園の町は都をどりが開催されていて観光客でにぎわっていた。琴美たちもカメラを持った人たちに写真を撮られて照れていた。
仕込みになって初めての休日。三人は都をどりを見に来ていた。
「都をどりは ヨーイヤァサー」の掛け声とともに現れた芸舞妓の踊りに琴美は見とれてしまう。
あの舞台に立ってみたい。本当の”はんなり”とを知りたいと強く思う琴美。

会場から出た三人。恵はこれからどうするか二人に聞く。優子は特に決めていなかったが、琴美は会いたい人がいると言う。
会いたい人は男なのかと聞く恵に男だけど彼氏じゃないと答える琴美。
恵は笑いながらどうみても男がいるタイプじゃない、バージンだろうしなとからかう。
まだ15歳ですよと赤くなりながら突っ込む琴美に自分は15の時はバリバリだったと言う恵。
舞妓さんは生娘じゃないといけないんじゃないかと琴美は質問するが、それはすでに過去のものになっていた。
表向きは男子厳禁だが実際は恋愛自由なのだ。
恋の話でもりあがる恵にピンときた優子はもしかして恵はいま好きな人がいるんじゃないかと聞く。
まさに図星で恵は今片思いの男性がいたのだ。

その男性に会いに行くといって恵は去っていった。琴美は予定のない優子を誘って”車屋 巽”に向かった。
琴美が会いたい男性とは巽の大将だった。お土産の漬物を渡して挨拶をする琴美。
大将は英司が円山公園付近にいるから会っていけと言っていた。
枝垂れ桜が咲き乱れる円山公園。その桜の木の下に英司の姿があった。
こっそり近づいて脅かしてやろうとする琴美だが、一緒に女性の姿を見て動きを止める。
なんとその女性は恵だった。しばらくすると恵は涙を流して走り去ってしまった。

(ひとこと)単行本は7月4日発売です。

  • 6月
  • 15
  • 2007
18:56

第8話 尻(おいど)を下ろす

徹夜での猛特訓。翌朝三人は雑魚寝の状態で熟睡していた。おトキさんにたたき起こされた三人は慌てて学園に向かう。
舞の稽古は畳を見ればその妓がどのくらいのレベルにおるかわかるもの・・・そう思いながら部屋のふすまを開けたおかあさんは擦れてささくれ立った畳を見て驚く。

女紅場学園に到着した琴美。しかし、足の裏は血豆がつぶれて立っているのがやっとだ。
しかし、そこに現れた乙葉の顔を見た琴美は足なんか痛くないと言ってお稽古に向かう。
お師匠さんに最後まで振りを覚えたので見てほしいと頼む琴美。
みんなの前で始めた琴美の舞はピョコピョコとしてただ振りの順番を追っているだけだった。
しかし、乙葉とお師匠さんは別の部分で驚愕していた。
琴美の舞には井上流の一番肝心な基礎が出ていた。それは”尻(おいど)を下ろす”といわれる下半身の使い方だった。
すり足で動くこの姿勢があってこそ上半身の振りが生きる。これができていないと優子のように上半身の振りが大きくなって格好がつかなくなるのだ。
琴美はサッカーをやっていたために足腰の鍛錬は十分にできていた。さらに卓越した観察力で井上流の本質を見抜いて実践していたのだ。

舞も中盤に入ったころ、琴美の足が動かなくなっていた。痛みが限界に来ていて感覚がなくなっていたのだ。
もうだめかと思った琴美の目に乙葉の姿が映る。「口だけなら祇園から出て行きなさい」乙葉の言葉を反芻する琴美。ここであきらめたら本当に口だけになってしまう。
琴美は痛んだ足をさらに踏み込んだ。激痛で足の感覚を取り戻した琴美はそのまま門松を舞い終えた。
舞とは程遠いもんだと厳しい言葉をかけながらも琴美の努力を認めたお師匠さん。
なんとかみんなと一緒の稽古に加わることができた。

お稽古が終わった琴美たちにいつものように食って掛かる玉乃家の娘たち。しかし乙葉は「あなたたち何を見てたの?他人のことより自分の心配しはったら?」と彼女たちをいさめる。

たった一日で井上流の本質に迫った琴美を乙葉も認めたようだ。

  • 5月
  • 30
  • 2007
18:02

第7話 門松

二日目の朝を寝坊で迎えた琴美。今日から女紅場学園でのお稽古が始まる。
おかあさんに着物を着せてもらった琴美は自分の姿に見とれてしまう。
そしておかあさんに正しい行儀作法を教わる。座り方、お辞儀の仕方を教わって恵、優子とともに学校に行くことになった。

学校では昨日口論になった玉乃家の娘たちがいた。相変わらず琴美を馬鹿にする彼女たちに負けまいと思う琴美だが、何もかも始めてのことで言葉すらおぼつかない有様だ。
舞の稽古では井上流の舞の基本である「門松」を教えてもらうことになった。
運動神経に自信があった琴美だが、サッカーで使う体の動きとまるで違う舞の稽古に汗を噴き出し必死にあがくばかりであった。

稽古を終えて外に出た琴美が落ち込んでいると先ほどの娘がやってきて琴美の舞を笑う。
さらに後ろから来た乙葉に「口だけなら祇園から出て行きなさい!」と厳しい言葉をかけられ、琴美の闘志に火がついた。

「門松を一晩で踊れるようになってやる!」恵、優子とともに夕食もそこそこに「門松」を舞う琴美。
不思議な団結を見せ始めた三人を見たおかあさんはそれをそっと見守っていた。

  • 5月
  • 14
  • 2007
18:45

第6話 同期の仲間

八坂女紅場学園でお師匠さんに叱られていた少女。彼女は他の流派の舞を習っていたから癖が抜けずに井上流の踊りができないのだ。
お師匠さんは乙葉という生徒を呼び、舞の模範演技を見せる。
それは以前玉の屋で出会った祇園育ちのサラブレッドだという少女だった。

稽古が終わったお師匠さんに琴の家のおかあさんが声をかける。今叱られていた優子は琴の家の仕込らしい。迷惑をかけたことを詫びるおかあさん。そして琴美のことをよろしくとお願いした。
今日もお師匠さんに叱られたという優子に練習するしかないと厳しく言うおかあさん。落ち込む優子に琴美はがんばろうと声をかけるが優子はそっけない返事をしたっきりだ。
芦屋育ちだという優子と話す琴美。そこに他の仕込が声をかける。
「去年の暮れに玉乃屋に押しかけて門前された娘や。うまく琴の家にもぐり込んだんどすねぇ」
そして琴の家のおかあさんは物好きだから他の屋形が預からんような娘を預かる。
その優子って娘を見ればわかる。毎日叱られているのはその子だけだ。そんな愚図な娘を預かるのは物好き以外の何者でもない。

それを聞いた琴美は「あんた達なんかすぐ追い抜いてみせるんだから!」と豪語する。
すると、無関心そうに横で聞いていた乙葉がやってきて、
「面白いわ!その言葉よう憶えておきます」と言い残して去っていった。

屋形に帰ってきた二人から事情を聞いた恵は「よりによってえらいのにケンカ売ってもうて・・・」と面白げに笑う。
さらに、元ガングロギャルの自分。芦屋のお嬢様の優子。サッカーバカの琴美。こんな娘ばかりを預かるなんておかあさんはやっぱり物好きじゃないのかと冷やかす。

おトキさんという人がご飯を作ってくれた。食事を取りながらおかあさんは琴美にまずは言葉から勉強しなくてはならないという。地方から来た娘は京言葉が一番難儀するから皆で注意しあって早く話せるようにとアドバイスする。

先輩の恵に続いてお風呂に入ろうとする琴美は優子を誘って一緒にお風呂に入ることにする。
大きなお風呂にはしゃぐ琴美だが、優子は今日も学園で叱られたことを気にしていた。
琴美はそんな優子をうらやましいと言う。
「怒られるってことはそもそも期待されている証拠だし、それに知らなかった自分に会えるんだよ!」
そして自分がサッカーの監督にしごかれた経験を話し、シュートが決まった瞬間の喜びとみんなの笑顔をみて監督が自分をしごいたことの理由を知ったと語る。

勇気付けられた優子の顔に笑顔が戻った。こうして琴美の祇園初日は終わった。

(ひとこと)琴美のお風呂シーン。まったくもって色っぽくありませんなー

  • 4月
  • 30
  • 2007
17:17

第5話 仕込みさん

ついに祇園にやってきた琴美。琴の家の玄関に立った琴美にひとりの女性が話しかけてきた。
彼女は同じ仕込の恵と名乗った。恵は玄関はお客様が使うところだからといって裏口から琴美をあげ、部屋に案内した。狭い部屋に二段ベッド。この部屋に琴美と恵、そしてもう一人優子という子の三人で生活することになる。

恵はまず、玄関の掃除を言いつける。
「祇園で箒は邪気を祓う神聖な道具。掃き方を考えて。」
そういわれた琴美は家から邪気を追い出すように思いっきりごみを外に掃きだしていった。
そこに帰ってきたおかあさん。鬼の形相で琴美を部屋に連れ込んだ。

なにを怒られているのかわからない琴美におかあさんは説明する。
「しきたりはいわば祇園の心。たとえば箒の掃き方にしても通行人にごみがかからないように埃を立てないように気をつけて内側に掃かなくてはならない。まずは、人様のことを考えるのが第一。そして『家にお客様を招き入れて縁起がええどすなあ』と考える」
納得した琴美だが、おかあさんは罰は罰だと三時間の正座を言い付ける。きちんと面倒を見なかった恵も一緒に正座させられることに。
なれない正座に苦しむ琴美。しかしふと、この正座にも意味があるのではないかと考える。
三時間後、正座から開放された琴美は「これはおかあさんの心だったんですね」と言って彼女を驚かせる。

それからおかあさんは琴美を八坂女紅場学園に連れて行った。学校の中では同じくらいの年の少女たちが見事な踊りを見せていた。
しかし、彼女たちもまだ仕込みの段階で、おかあさんに言わせるとまだ舞とは言えないものなのだそうだ。
お師匠さんにきつく叱られる生徒を見て琴美は自分の甘さに気づき、不安を覚えるのであった。

  • 4月
  • 10
  • 2007
20:09

第4話 鬼の家

屋形「琴の家」にやってきた琴美。「鬼の家」と呼ばれる屋形の女将はどんな人物かと恐れていたが、そこに現れたのは美しい女性だった。
彼女は笑顔で琴美を招きいれたが琴美が入り口の敷居を踏んだ瞬間に彼女の顔が鬼に変わった。

敷居は家の外と中のけじめとなる境界線。他所様の家に入る際は礼儀として必ず心のけじめをつけてまたがせてもらうものである。
他所様のお座敷に上がるのが舞妓の仕事。だから、心のけじめをつけて敷居をまたぐのは舞妓の基本の心構えだ。
反省した琴美は改めて琴の家の敷居をまたごうとする。その敷居はなぜかとても高いものに見えていた。

すでに巽の親方から紹介を受けていた女将は琴美を預かる前に琴美に服を脱げと命じる。
女将だけではなく新藤もいる部屋で服を脱ぐ琴美。
女将は琴美の顔をじっと見つめる。そして体を改めた後「仕込みの修行を半年でやってもらうことが条件」と告げる。
さらに、仕込みを途中でやめる場合には後見人に違約金として一千万を払ってもらうことになっていると言う。
しかし琴美は、すべての条件を飲み、琴の家に入ることを宣言する。

そして三月。中学を卒業した琴美をみんなが見送りに来ていた。
友達の由衣は舞妓になることをあきらめていた。親に反対されたのと、背が高いと舞妓に相応しくないためだ。
由衣は琴美から身体検査のことを聞いて、それは琴美の背がこれからどのくらい伸びるか見ていたのかもしれない。だから半年で見習いになれといったのかもしれないと考える。
琴美は家族や友人に別れを告げて祇園に旅立っていった。

女将は服を脱いだときの琴美の表情を思い出していた。あれは私を紹介した人間、巽の親方を信頼していたからだ。だから私を信じることができた。
私のしごきであの子が美しく輝くか、それとも散ってしまうか・・・

  • 3月
  • 29
  • 2007
18:01

第3話 後見人

「俥屋 巽」に運び込まれた琴美。
翌日、目覚めた琴美は後見人を紹介するという約束を守ってもらうために進藤を探して階下に降りる。
そこにいたのは進藤の親方だった。

進藤は親方に「琴の家」に琴美を紹介して欲しいと頼んでいた。
しかし、親方は過去の不義理を償うために祗園にいる自分は後見人にふさわしくないと断っていた。

親方が作った大根炊きを食べる琴美。あまりのおいしさに7杯も食べてしまう。
大根炊きは師走の京の名物料理。厄払いの御利益があると言われている。
「京都の人間は何かにつけて験をかつぐ体質(たち)なんや」
そう聞かされた琴美は京都のことを全然知らない自分を反省して、もっと勉強しようと宣言する。
親方は自分の至らないことを素直に反省する彼女の成長をもっと見てみたいと感じる。

琴美は大根炊きを見つめて「コレ!お母さんの味がする」と感想を伝える。
おいしい料理は人を守る。そんな思いが伝わってきたようだ。
自分のわだかまりを癒してもらったような感覚を覚えた親方はこの娘ならあの家でもやっていけるかも知れないと考えを変える。

親方は帰ってきた進藤に琴の家に連絡を入れたこと、琴美の後見人になることを告げる。
進藤に連れられて琴の家にやってきた琴美。鬼と呼ばれる女将はどのような人物なのか…?

(ひとこと)大根炊きのシーンは、もっといろんな言葉が詰まっています。ぜひ作品を読んでみてくださいね。

  • 3月
  • 17
  • 2007
19:59

第2話 屋形のしきたり

舞妓になろうと決意して京都にやってきた琴美。
「玉乃屋」という祇園有数の屋形を訪ね舞妓にしてほしいと頭を下げる。
しかし、舞妓になるためには親の了承ときちんとした紹介人が必要だと門前払いされる。
さらにそこにやってきた女性に京言葉もわからん人間に舞妓になってほしくないといわれる。
彼女の後ろには黒髪の少女がいた。祇園生まれの祇園育ち。彼女の娘だというその少女の姿に見とれる琴美。
京のこと、祇園のことは何も知らない琴美だが、この娘が凄い事は気がついていた。

その後も屋形を訪ね歩くがことごとく門前払い。ぼんやりと歩く琴美は道で大八車にぶつかってしまう。
車を引っ張っていたのは修学旅行で出会った英司という男だった。
事情を聞いた英司は並大抵の努力じゃなれない、諦めた方がいいと言うが、琴美は
「勝負もしないで逃げるなんて脱落するよりダメじゃない!」と反論する。

ならば根性を見せたら後見人を紹介してやると英司は言う。
清水寺への坂道を10本駆け上がってみろ、そしたら後見人を紹介してやる。
それを聞いた琴美は早速駆け出していった。
どうせすぐに諦めるとタカををくくっていた英司だが、雪が強くなりふと琴美のことが気になり清水寺へ向かう。

坂道のとある店で赤いマフラーの女の子を見なかったかと尋ねてみると、店のおばちゃんがおみくじを差し出し、
「清水寺に何度も行ったという証拠がいるいうて、おみくじを毎回持ってきてる」と答える。
そして道端に脱ぎ捨てられた靴。

そこに10枚目のおみくじをもって琴美が駆け込んできた。
熱を出しながら倒れる琴美を抱きかかえる英司。英司は琴美に昔の自分の姿を重ねる。

車屋に琴美を連れて帰ってきた英司は親方に頭を下げる。
「この娘の後見人になってやってください。」
屋形の知り合いはいないと目をそむける親方に「いえ!いるはずです!『鬼の家』と呼ばれる屋形の女将が!!」と食い下がる英司。

琴美が握り締めている10枚目のおみくじには「凶」と書かれていた。

  • 2月
  • 14
  • 2007
22:05

第1話 15の秋

京都清水寺でリフティングをしている少女。修学旅行でやってきた中学生、相原琴美である。
琴美はサッカー少女だった。父に勧められて始めたサッカー。周りはいつも男の子ばかり。いつも真っ黒の琴美だったが父の喜ぶ笑顔が大好きだった。

先生の説教の場を抜け出した琴美と友達の由衣。目を放したすきに琴美のサッカーボールが石段をを転げ落ちていった。あわてて追いかける琴美。ボールを拾ってくれたのは祇園の舞妓さんだった。
由衣の話によると舞妓はふだんこんなところにはいないらしい。「はんなり」していて綺麗だという由衣。
由衣は憧れていた舞妓の姿に変身させてくれるお店に琴美を誘う。
舞妓の格好は見た目ほど楽ではなかった。「おこぼ」は歩きにくいし、着物とかつらは重くてしょうがない。
ふらふらと歩く琴美に由衣が舞妓についての説明をしてくれた。舞妓は舞いや小唄を披露してお客さんに食事やお酒を楽しんでもらう仕事。水商売だと思われがちだが、日本が世界に誇る伝統芸の担い手だと。

ふと川面を覗き込んだ琴美はそこに写る自分の姿に声をなくす。今までに感じたことのない不思議な感情を覚える琴美。
そこに同じクラスの生徒が二人を本物の舞妓だと勘違いして話しかけた。一緒に写真をとってそのあと正体をばらす二人。その話で盛り上がり走り回る同級生の森下がほかの学校の生徒にぶつかってしまった。
森下に絡んでくる生徒。一緒に謝る由衣が突き飛ばされたのに怒った琴美は彼に「おこぼ」を蹴りつけてしまう。
乱闘になろうとしたその瞬間、現れた青年がけんかを止めてくれた。不良生徒を退散させた青年に「余計なことをしないで」と突っかかる琴美。青年はそれを気にも留めず「なんちゃって舞妓でもおこぼをサッカーボールみてえに蹴り飛ばしちゃだめだぜ。舞妓さんはあくまで『はんなりと』だからよ!」と言い残して去っていった。

家に帰ってきた琴美は家族に土産を渡す。修学旅行も終わったし、次は進路が気になると話す母。
琴美は女子サッカー部のある私立高校に行きたいという。
母と姉が反対する中、父は賛成してくれる。

夜、居間から明かりが漏れているのに気づいた琴美。そこには舞妓姿で写っている琴美の写真を見て微笑んでいる父がいた。

それからもサッカーに励む琴美。しかしなぜか祇園でのときめくような気持ちにはかなわない。
そこに突然先生が琴美を呼びにきた。父が事故にあったというのだ。
突然父を亡くしてしまった相原家。家を売ろうとする母、短大に行かずに働くという姉。
自分だけ悲しんで入られない。琴美は由衣に本を借りてきた。

結局家を売ることにしようという母。そこに琴美が飛び込んできた。
「私、高校行かないで祇園に行く!!私・・・舞妓になる!」

(ひとこと)おてんば少女という今までにない設定ですね。お父さんが亡くなるのはいつものことだけど^^