- 3月
- 22
- 2007
第10話 別離(わかれ)
車にはねられた慎一。病院で幸子は自分を責めていた。
人の道を踏み外すようなことをしたから天罰が下ったのだと。
連絡を受けた夫が駆けつけたと同時に手術を終えた医師が出てきた。
慎一は奇跡的に助かり、右足の骨折だけですんだ。
自分を責める幸子に夫もこれまでのことを詫びる。
そしてこれを機にもう一度やり直したいと持ちかける。
幸子は家庭に戻ることを決意する。
一方守の妻を襲った白血病の危機。
治る可能性はある。しかし家族の支え無しでは病気と闘うことは出来ない。
こんな状態になった妻を捨てることは守るには出来なかった。
帰り道、妻が話しかける。自分は至らない妻だった。他の女の人に目が向いたのは当然だと守るに詫びる。。
しかし守は悪いのは自分だと今までのことを謝る。
気付くと幸子との待ち合わせの時間は過ぎていた。幸子からの連絡は入ってなかった。
家に帰った守は妻と娘と共に病気と闘おうと話す。そして自分の会社が倒産することを告げ、これも全てを出直す良い機会だと言う。
妻はそれならば実家の熊本に行こうと提案する。父の具合が悪く、家業の和菓子屋を継いでくれると全てが丸く収まる。
幸子と別れるには九州に行くしかない。守は妻の提案を受け入れることにする。
二日後、守の会社が倒産した。机の整理をしていたとき、幸子からメールが入る。
池袋の喫茶店で待ち合わせた二人。先に話を切り出したのは幸子だった。
「別れたいの。私たちの不倫、終わりにしたいの」
「実は・・・俺もだ」
二人はお互いに自分の事情を話した。そしてお互いにこれが一番良いと別れることを決めた。
半年間の不倫。お互いのことを忘れないと誓い合い出会ったときと同じように向かい合う駅のホームにたった。
電車に乗り込みドア際に立って互いを見つめ合う。そして、電車は動き出した。
守は幸子との別れの悲しさと共に重圧から解き離れた安堵感を感じていた。
友人の言葉が思い出される。「不倫とは老いていく前のもがき、あがきからくる一瞬の恋だ」
旅が間違いだとわかったときに人は乗換駅で別の列車に乗り換えることはできるのだろうか・・・
