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  • 8月
  • 5
  • 2007
21:13

第32話 油断

相場より高い時給を出してキャストを集め、高い酒やフルーツの注文をノルマとした「シャングリラ」は売り上げを伸ばしていった。
この二週間、連日満員で一部では竹ノ塚一のキャバクラだという評判も流れている。
こちらも何か手を打ったほうがいいんじゃないかという小川だが、翔は「ウチ自体の売り上げが落ちているわけではない。それならそれでいいじゃないか」と言う。
「一週間や二週間で結果が出るなんてことはない。これからが本当の勝負だよ。」

そんな翔の言葉どおり、その後「シャングリラ」の客足はぴたりと止まった。
キャストの一人がオーナーの前で堂々とその理由を話す。
竹ノ塚にしては料金が高い。それに店長や黒服の態度が横柄で感じが悪い。元の店に戻ったら指名するけど、この店にはもう来ないと言っていた。
ほかのキャストたちも同じことを言われたと言う。今週いっぱいで辞めさせて欲しいという彼女たちを何とか引き止めたオーナー。
更衣室では今までの不満をぶちまけたことでキャストたちはすっきりしていた。
そんなとき、ここが始めての店だという二人組が彼女たちに話しかける。
店を辞めるときに一緒に連れて行ってもいいけど、ロリ系の店のほうが似合うんじゃない?と茶化すキャストたち。ほんの冗談のつもりだったが、二人の表情が少し曇った。

「シャングリラ」の勢いが止まったとこを聞いた翔。やはりその店自体に魅力がないと客は常連になってくれないと話し合っていたところにひとりのキャストが飛び込んできた。
「今、店の外にパトカーが・・・」

警察は「シャングリラ」に入っていった。あの二人組は家出した14歳の少女だったのだ。
14歳の少女を使っていたということでシャングリラは営業停止三ヶ月。事実上の閉店だった。
あっけない幕切れ。その原因は店がキャストの管理を行ったことだった。

今回の事件で翔たちは多くのことを学んだ。キャストの身元確認にしてもあたりまえのことでついおろそかにしてしまいがちだ。
そして接客業はきちんとした接客マナーをつけなければならないということ。
遅刻をしない、身だしなみをちゃんとする、店内はきれいに保つ。
これ以降、翔はこの三点を「KIZAKIのA・B・C」として徹底させることにしていった。

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