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  • 7月
  • 19
  • 2007
21:56

第10話 恵の決断

英司と恵が話しているところを見てしまった琴美と優子。
英司に話しかけることもできず、二人はその場を去った。
これから恵に会ったときどんな顔をすればいいか。どうしても不自然な態度になってしまいそうな二人にツッコミの声がかかった。
声の主は恵だった。どういうことかと聞かれた琴美は泣いているところを見てしまったと正直に話した。
恵はごまかす風でもなく「ウチがあんた達に話した片思いの人って英司さんのことや」と明るく告白した。
その頃、英司は琴菊という女性の部屋を訪ねていた。恵がきていないかと尋ねる英司に琴菊は「あの娘、そんな事してる場合ちゃうのになあ」とため息を漏らす。

恵は英司との出会いを語り始めた。恵は祇園に「入れられた」子だった。
父は会社の社長。母はエステのチェーン店を経営。裕福な家庭に育ったが、家庭はばらばらだった。
愛人のいる父にパーティなどでほとんど家にいない母。そんな家がいやでガングロメイクで渋谷で遊びまわる毎日。
そんな恵の姿を見ても両親は何も言わなかった。自分はどうでもいい人間だと思った恵はいろんな悪さをして回った。そして仲間とクスリをやろうとするところを警察に捕まり、家裁に送り込まれた。
恵を守るような両親の発言すら信じられなかった。そして案の定、学校を退学になった恵に祇園に行けと言われた。もう親の顔を見たくないと思った恵は父の知り合いである琴の家のおかあさんに預けられることになったのだ。

恵は父の知り合いである琴の家のおかあさんのことも信用していなかった。厳しくするのも父に頼まれてやっていること。誰が言うことなんか聞くもんかと反発を繰り返していた。
姉さんである琴菊がかばってくれたりしたが、それすらも自分の恥を避けてのことだと思っていた恵。
そんなある日、恵を琴菊が連れ出した。人力車に乗って京都観光をしようと誘う琴菊。
その時恵は英司に始めて会ったのだ。
「ガングロが顔白くする舞妓さんを目指すってのか!黒から白へ人生を変える・・・面白いな!」
英司の軽口に腹を立てて暴れる恵。しかし英司はいとも簡単にゆれる車を止めた。
その時彼の左腕に傷を見つけた。
腕を隠した英司は「そういう俺も昔は”クロ”側の人間だったんだ」と言う。
英司は恵に「祇園という古くからの戒律があるこの街は・・・過ちを犯した人間をちゃんと立ち直らせてくれる力があるんだ。だから恵ちゃん。逃げずに舞妓修行がんばってみな。きっとみんな、恵ちゃんを見ててくれるから。」と励ましの言葉をかけた。
希望が見えた気がした。私が一番ほしいものがここにあった。その時恵は英司に惚れてしまった。

「ウチが今祇園にいるのは英司さんと同じ空気を吸える場所にいたいって理由だけや。けど・・・もうええんや。ウチ、舞妓になるのやめるわ!」

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