- 7月
- 19
- 2007
第29話 明日への扉
芸能界デビューの話は無くなってしまった。しかし舞達は自分達はあくまでキャバクラ嬢。自力で銀座店を成功させようと誓い合う。
そして開店。この日は今月のショーの初日だった。
そこに一人の男がやってきた。舞を指名した彼の姿を見て黒服たちは驚く。男は島貫悟志だった。
そしてショーが始まった。熱気に包まれたショーに喜ぶ観客。そしてヒップホップからバラードへと進み、フィナーレを迎えた。
最後にダンサーの名前が紹介されていった。舞の名前が呼ばれたとき、島貫は思わず立ち上がって拍手をしていた。
門馬に会った島貫は先日の非礼をわびた。そして、今日来たのは門馬が置いていったDVDを見たからだと話した。
舞達は自分が思っていたより完成度の高い踊りをしていた。歌唱力さえ磨けばすぐにデビューできる。そう言って彼女達のプロデビューを約束した。
ミーティングで芸能界デビュー決定を報告された舞達。これからはキャバクラの仕事の合間を縫っての地獄のスケジュールになる。
ユニット名は「舞姫・ディーヴァ」デビューは三ヵ月後でそれにあわせて銀座店をオープンさせる。
そして特訓の日々が始まった。同伴、アフターをする時間が無くなったために客に事情を話して了解してもらった。そこから話が広がり、話を聞いた客達もともに喜び、応援してくれるようになった。
一方、鳴り物入りで銀座にオープンした溝江の店「クイーン」は閑古鳥が鳴いていた。もう二ヶ月もこの状態だ。
溝江は観月を責め、クイーンとDIVAの差はどこにあるのかという。
観月には理由がわかっていた。それはキャストの年齢。キャバクラは所詮若い女の世界。銀座なら三十路すぎでも通用するかと思っていた観月だが、そんな期待は夜の世界の現実の前で吹っ飛んだ。
溝江に抱かれながら観月は考える。この男と一緒になってわかった。IT業界の寵児などといわれているが溝江もただの操り人形。関西最大手の暴力団、大島田組の。
「舞姫・ディーヴァ」のデビュー曲が完成した。タイトルは「ダンシング・クィーン」。
デビューは一ヵ月後、待ったなし!
