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  • 7月
  • 19
  • 2007
17:20

第40話 一流の館

「ナイト東京」に移って一週間。武の周りに異変が起きていた。
常連客の大半が一度訪れたきり現れなくなっていたのだ。
不思議に思った武は客の悦子に電話をかけてみる。
悦子は会いたいのは山々だけど今度のお店は行きにくいと店に行くのを断った。

武は悦子の行った「敷居が高い」という言葉の意味を考えていた。
確かにこの店の客層は見るからに金持ちそうな女性が多く、それまで武を支えてきた団地妻たちは引け目を感じていたのだ。
この店が持つ客も掴まなくてはならないと感じ取った武はボーイに新規客の席に着けてもらうように頼み、新しい客を掴もうとした。
佐川という客は今月オープンするアメリカから上陸したハンバーガーショップ「マクドナルド」の話題を出したが、新聞を見る時間すらない武には全くついて行けなかった。
歌謡曲の話でも新しく出た歌手の名前を知らず、佐川は他のホストをつけるように頼んでしまった。

待機席に戻った武は流行を取り入れる努力をしていなかった自分を反省した。
そんなとき、他の席で新しくオープンするレストランの話題で盛り上がる関根たちの声が聞こえてきた。
武は以前雅代に言われた「会話の選び方も幅広さも関根が一番」という言葉を思い出し、自分もお客様を満足させるために努力しようと闘志に火をつけた。
それから武はテレビはもちろん、新聞、週刊誌などから情報を集め、仕事の合間をぬって客に関する情報をメモしていった。
そして1ヶ月を過ぎる頃、武はあらゆる話題に対応できるようになり、新規の客からの指名も獲得できるようになっていた。

ようやくこの店で仕事ができるようになった武だが、努力すればするほど関根たちのすごさを痛感させられることになる。
必ず追いついてやるとさらに意欲を高める武だった。

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