« 愛人形~あいドール 2007/7/11号 | [倉科遼を読む]メイン | 帝王 2007/6/25号 »

  • 6月
  • 17
  • 2007
05:37

第35話 遠い女性(ひと)

岡田朱美との出会いから数週間がたった。
クリスマスイブの夜、相変わらず武の客でナイト宮益は賑わっていた。
同じ時刻、岡田家では小さい子供たちを寝かしつけた朱美が夫からの電話を受けていた。
急なトラブルで帰れなくなったとだけ言って電話を切る夫。一人寂しく子供たちのプレゼントを枕元に置いたとき、友人の紀子から電話が入った。
パーティの帰りにホストクラブに行きたいから付き合って欲しいという紀子。最初は乗り気ではなかったが、他の人をつけるからと言われて、その強引さに負けてしまう。

店に入ってきた朱美を見た武は客に断って席を離れる。ボーイに朱美の指名はあるかと尋ね、指名はないと聞いた武はすかさず朱美の席に着く。
ボーイに他の人をつけるように頼み忘れた紀子は違う人に変えてもらおうかと聞くが、さえない武にはきっと全然客がいないだろうと思った朱美は申し訳ないからとそのまま武と話すことにする。
持ち前のサービス精神で会話を盛り上げた武は、ダンスを踊らないかと朱美を誘う。
夫以外の男性と手をつなぐのは久しぶりだった朱美は思わずほほを赤らめてしまう。
ダンスの最中も武はしゃべり続けた。そしてようやく朱美が少しだけ笑ってくれた。

少し心を開いた朱美は夫が家庭を顧みないことを相談する。
朱美が結婚していて子供もいることにショックを覚える武。さらに朱美の夫は銀行の支店長を務めるエリート、父親は世界的に有名な建築家であり、現在は光和大学の理事長を務める河島哲郎だと言うことを知る。

あなたはあなたらしくあればいいと朱美を励ます武。
閉店時間も迫りレジに近づいた朱美はホストの売り上げグラフを見て驚く。
身長も自分と変わらず、取り立ててハンサムなわけではない武がナンバーワンだと言うことに気づいたのだ。
その驚きが武への興味に変わる朱美。一方武は生まれも育ちも自分とは全く違う朱美に絶望しながらも自分の気持ちを抑えきれないでいた。

コメントする