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  • 5月
  • 14
  • 2007
15:56

第30話 美酒の結末

武と智也の売り上げ対決から一週間が過ぎた。
勢いづく智也は〆の日を待つことなく今週中に決着をつけるつもりでいた。
武のヘルプである譲二はそんな状況を心配して金を持っている幸代にもっとボトルを入れるように頼んではどうかと武に相談するが、武は
「お客さんに無理にボトルを入れてもらうようなことはしない。勝負の前に仕事。お客さんを楽しませることに全力を尽くしましょう。」と譲二の提案をはねのける。

閉店まであと二時間。武派の客はほとんど読んでしまった。これで決定的な差がついたと笑う智也。
そこに一人の客が入ってきた。
客は武の客の佳代だった。この客もたいした金を落とす客ではない。そう考えた智也だが今日の佳代は一人ではなかった。
先日佳代の買い物につきあった武は今日は友達の誕生会だったんじゃないかと尋ねる。
その帰りに寄ったという佳代はなんと15人もの女性を連れてきたのだ。
武が選んだブローチは裕子と言う女性に送られていた。裕子は武に礼を言い、一番高い酒とフルーツとおつまみを人数分注文する。
尻込みする武に佳代が言う。「大丈夫よ武さん。裕子さんは熊徳建設の社長夫人なんだから。」

この日裕子が使った金は「ロイヤル」が始まって以来の額をたたき出した。
武の売り上げは智也を追い越していた。
それを見た智也派のホストがヘルプに付かせてほしいと頼みにきた。それを見たほかのホストも次々に武の席に移り出す。
客と正面から向き合い損得など考えずに尽くすことに喜びを感じる武だからこそ起きた奇跡だった。

翌週、武派は勢いを増し、智也派は精彩を欠いてしまった。
売り上げ勝負は武が1位になって決着が付いた。
勝利した武は智也の元に行き、言うことを聞いてもらうことにする。
なんと、これからもこの店で先輩としてがんばってほしいと頭を下げたのだ。
しかし、プライドの高い智也はそれを受け入れず、店を去った。

こうしてホスト相澤武の最初の戦いは幕を閉じた。

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